食事中も無言だった私たち夫婦が、結婚30年目に二人旅をするようになるまで【子育てが終わった夫婦の会話】

並んだ二つのスーツケース。子育てを終えた夫婦の二人旅のイメージ

食事中も、ほとんど会話がない。話すのは、用件だけ。——そんな夫婦の時期が、私たちには長くありました。

子育てが終わった夫婦の会話がない。検索すると、離婚の手続きの話か、関係修復のテクニックの話が並びます。でも私たち夫婦は、そのどちらでもありませんでした。

話し合いで解決したわけでも、何か特別なことをしたわけでもありません。それでも今、結婚30年を過ぎて、二人で旅行に出かけるようになっています。

この記事では、会話のなかった時期から今までのことを、正直にお話しします。

目次

夫の転職をきっかけに、すれ違いが始まった

始まりは、夫が38歳で転職したときでした。

新しい仕事は、それまでと働く時間帯が違いました。私も仕事をしていたので、二人の時間がなかなか重なりません。どちらかが家にいるとき、もう一方はいない。そんな日が増えていきました。

夫婦で囲む食卓の、2つのマグカップと観葉植物のイラスト

どちらが悪いということではありません。お互い、目の前のことで手一杯だったのだと思います。

食事中も無言。話すのは用件だけ

会話は、少しずつ減っていきました。

食事中も、ほとんど無言。話すのは「明日遅くなる」といった、予定を伝える程度でした。同じ家に住んでいるのに、別々に暮らしているような感覚でした。

不思議なもので、会話がないことに、だんだん慣れていくのです。慣れてしまうと、それが普通になる。普通になると、変えようとも思わなくなる。今振り返ると、そういう時期でした。

そんな日々が、義母との同居が始まるまで続きました。

「ひとりになりたい」と思った夜

正直に書きます。離婚が頭をよぎったこともありました。

家事と仕事に追われて、心も体も余裕がなくなったとき。「もう、ひとりになりたい」と思う夜がありました。

具体的に何かを準備したわけではありません。ただ、疲れきった頭の中を、そういう考えが通り過ぎていく。それが何度かありました。

今思えば、夫が嫌いだったというより、自分に余裕がなかったのだと思います。夫婦喧嘩の記事にも書きましたが、夫婦のすれ違いの根っこには、たいてい「お互いの余裕のなさ」がありました。

少しずつ変わっていった、二つのきっかけ

では、何が変わったのか。

話し合って決めたわけではありません。振り返ると、きっかけは二つありました。

ひとつ目は、義母との同居です。

同居が始まると、暮らしのことをいろいろと二人で相談しながら進める必要が出てきました。用件だけでは済まない話が、自然と増えたのです。

会話が戻り始めたのは、たぶんこのころからでした。

ふたつ目は、年齢と体のことです。

夫が60歳になったころ、私自身も体調を崩すことがわりと増えていました。そうなると、考えることが変わってきます。

この先、どちらかが具合を悪くしたら。そのとき頼れるのは、結局この人なんだ、と。

これからは、夫婦で助け合っていかないと。

そう思うようになったのは、話し合って決めたからではありません。年齢と体が、そう思わせてくれたのだと思います。お互いに、少しずつ相手を気にかけるようになっていきました。

劇的な仲直りも、改まった話し合いもありませんでした。でも、それでよかったのだと思います。

二人旅を言い出したのは、私でした

昨年、私たちは結婚30周年を迎えました。

その記念に、旅行に行こう、と言い出したのは私です。

熱海、石垣島、沖縄。昨年の12月から、二人で出かけるようになりました。どこも、本当に楽しかった。

会話のなかったころの私たちを思うと、自分でも少し不思議な気持ちになります。

子どもたちが成長してからは、この二人の旅行を大切にしています。特別なことをしなくても、同じ景色を見て、同じものを食べる。それだけで、話すことは自然と出てくるものですね。

旅先で並んで歩きながら、ふと、結婚前、付き合っていた頃のことを思い出しました。

もし、会話の少ないご夫婦がきっかけを探しているなら、近場の一泊からでも十分だと思います。私たちの最初は熱海でした。

ちなみに、熱海はJTB、石垣島と沖縄はHISで予約しました。

会話がないことに悩んでいる方へ

もし今、夫婦の会話がないことに悩んでいる方がいたら、伝えたいことがあります。

会話がない時期があっても、それで終わりとは限りません。

私たちは、何かを頑張って変えたわけではありませんでした。暮らしの変化で話す必要が生まれ、年を重ねて、お互いを気にかける理由ができた。それだけで、少しずつ戻ってきました。

もちろん、夫婦の形はそれぞれです。距離を置くことが必要なご家庭もあると思います。これは我が家の話であって、正解とは限りません。

ただ、今の沈黙が一生続くとは限らない。それだけは、先を歩いた者として言えます。

子どもが巣立ったあとの気持ちについては、空の巣症候群の記事にも書いています。

まとめ

食事中も無言だった私たち夫婦が、結婚30年を過ぎて二人で旅行するようになるまでのお話でした。

すれ違いの始まりは、夫の転職と、お互いの忙しさ。離婚が頭をよぎった夜もありました。会話が戻り始めたのは、義母との同居で相談ごとが増えたこと。そして気持ちが変わったのは、年齢を重ねて「助け合わないと」と自然に思えたこと。

人生は、本当にいろいろなことがありますね。同じように悩んでいる方の心が、少しでも軽くなれば嬉しいです。

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